SFのススメ 『シドニアの騎士 第九惑星戦役第一話前篇』 【アニメ感想】

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二瓶勉『シドニアの騎士』(講談社、2009年~)のアニメ版二期がついにスタート!

これほど面白いSFを知らなかったなんて、とアニメ一期一話を見たときに思ったものです。
(だいたい、いつも新しい作品に触れると思うことではあるものの(汗))

そして、まさかヒロイン不在のまま一期が終わるとは、と原作読破組(途中で追いついた)の誰もが思い、
同時に「よかった二期あるのか……」の幕引きから一年!

テレビに帰ってきました。
ヒロインのつむぎを連れて。

あんまり作品数の多くないこのSFのススメですが、
ちょっとタイムリーな話題も取り上げつつ行きたいと思います。

今回は、なんで『シドニアの騎士』は面白いのか、も振り返りながら行きたいと思います。
『シドニアの騎士』は、マンガが原作のSFロボット、SFアクション、宇宙SFなSF作品です。
個人的な面白さのポイントは何と言ってもSF的アイテムの使い方の巧さ!

※ここからは原作のネタバレも多分に含みますので、注意!

①ヘイグス粒子の存在

これは今書いている別の記事でも話題にしているのですが、
SFで良くある「すこしふしぎ」な現実では現状存在しない現象、物質の存在を許す為に、
粒子だの、エネルギーだの、原子だのを作りだすことはままあります。
ガンダムではミノフスキー粒子、あとは『ネクトオリビウム』『サクラダイト』『スペシウム』『飛行石』などなど。
宇宙SF でよくあるのはエーテル(このHPのタイトルでもあります)ですね。
これがあると超光速で移動できたり、レーダーが使えなくなったり、反重力装置の様なものが作れたりと様々な効果が得られるのだそうです。
この粒子が、『シドニアの騎士』では『ヘイグス粒子』という名前で登場します。
ヘイグスの名を冠するものは多く、『ヘイグス機関』『ヘイグス粒子砲』『ヘイグス通信』『ヘイグス灯』などなど。
『シドニアの騎士』は後述の敵『ガウナ』が地球にやってきたことで人類が地球を脱出した後の話ということで、
頼れる故郷もなく資源確保が大変! という事情も描写される割にはエネルギー源たるヘイグス粒子は宇宙に濃淡はあれど存在し、
何でも大抵は何とかしてくれる万能粒子として作中に存在します。
もっともSF好きの中にはこういった万能物質の存在を快く思わない方々がいるのもまた事実。
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(播種船『シドニア』から発射されるヘイグス粒子砲 アニメ『シドニアの騎士』(11話))

しかし、『シドニアの騎士』ではヘイグス粒子はただただ便利で有用な粒子というわけでないところが、
万能物質への拒否感を減らす材料になっているような気がします。
作中の敵、『ガウナ』がこのヘイグス粒子と『カビ』と呼ばれる物質に引き寄せられる性質を持っている訳です。
こうなると、作中の謎に深く食い込んでくる為、万能物質も『テーマの為、ストーリーの為』とその存在意義が増していくことになりますので、
こういうテーマを扱うんだから不可欠だよね、ということになるわけです。
これがただただ人型ロボットが存在する理由として使うだけだと上記のタイプのSFファンには受け入れがたいものだと思いますし、
多少その物質が戦争の火種になっているんだと、資源問題の縮図として利用しようとしてもじゃあその資源問題はどうやって解決するの、
というところに到達しない為にせっかくの設定が不完全燃焼(個人的な見解)してしまうともったいない。
戦争をする為にそんな特殊な物質を出さなければいけないのなら、資源問題と技術格差を交差させて『ガソリンの熱量を100%利用できる』
エンジンで動くロボットの世界で技術をもった技術者を取りあうという世界間でも面白いと思うのですが。
(こういう作品があったら教えてください。ぜひ読みたい!)
『フルメタルパニック!』などは、その辺うまい方法で世界の不平等をエネルギー問題ではなく技術問題として描いていたと思います。

二期はこのあと人工カビインフレと同時にヘイグスインフレも起こる予定なので、どこまで許せるか、が人それぞれになると思いますが、
同時にヘイグス粒子と人、ガウナの関係性も明かされ、謎も深まっていきますので、やっぱり『シドニアの騎士』は構造が巧いな、と思うのでした。

②コミュニケーションの取れない敵『ガウナ』
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(何となく似ている構図。左特撮映画『巨神兵東京に現わる』の巨神兵、右アニメ『シドニアの騎士』のガウナ)

ガウナはコミュニケーションの取れない敵として作中では扱われます。
マンガ、アニメともに『ベニスズメ』が登場するまでガウナは、、
コミュニケーションが取れず、人間に擬態したりする行動に意味はないとされており、
その攻撃パターンなどは本能のようなもので戦略や戦術はない、単純な生き物のように描写されます。
しかし、主人公の『谷風長道』の登場により、ガウナがそれなりに簡単に撃破されるようになると、
一時期は一般兵でもガウナを倒せるようになり、
ガウナもインフレを始めます。

ここら辺の流れは『マクロスF』での『バジュラ』との戦いの流れにそっくりです。
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(アニメ『マクロスF』のバジュラ。彼らは種として単一の思考を持つ生命体だった)

ただインフレがそっくりとはいえ、アニメ『シドニアの騎士』の二期ではどこまで描かれるのかまだ分かりませんが、
人間の思考の模倣まで完璧なガウナが生まれるなど、不気味さではガウナの方が上をいくでしょう。

同時にガウナの描写がなぜか漫画『風の谷のナウシカ』に近くなっていく気が……。
もっとも二期一話の段階だと、やはりあの画風の再現は難しいのか、生々しいグロテスクさが強い気がします。
シドニア血線虫、……思い出しただけで足がムズムズ。

後編に続く……。


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